技術士第二次試験 課題解決能力



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[20] ストック効果

投稿者: 加藤修一 投稿日:2017年 7月 8日(土)15時50分52秒 pw126234090137.21.panda-world.ne.jp  通報   返信・引用

社会資本の整備は、未来への投資であり、次の世代に引き渡す資産を形成 するものである。我が国の人口が減少していく中、厳しい財政制約の下にお いても経済成長や安全・安心の確保、国民生活の質の向上を持続的に実現し ていくためには、ストック効果を最大限に発揮する社会資本整備が求められ る。

1.フロー効果とストック効果
  社会資本整備の効果は、フロー効果とストック効果に分けられる。
フロー効果とは、公共投資の事業自体により生産、雇用、消費等の経済活 動が派生的に創出され、短期的に経済全体を拡大させる効果である。
一方、ストック効果とは、整備された社会資本が機能することによって、 整備直後から継続的に中長期にわたり得られる効果であり、フロー効果以外 の社会資本整備の効果であると捉えることができる。具体的には、移動時間 の短縮等により経済活動における生産性を向上させる効果、生活環境の改善 といった生活の質の向上効果、防災力の向上などの安全・安心効果がある。

2.ストック効果
(1)安全・安心効果
①自然災害による被害の軽減
②交通の安全の確保
(2)生活の質の 向上効果
①交通サービス水準の向上
②生活環境の改善?③生活利便性の向上
(3)生産性向上効果
①生産の増加 (企業立地件数)
②需要の増加(観光消費額)
③雇用の増加 (雇用者数 等 )
④流通・交通の活性化
* 移動時間の短縮
* 輸送費の低下
* 貨物取扱量の増加

3.ストック効果の意義
(1)「効果が出る」から「効果を出す」への発想の転換
(2)ストック効果の「見える化・見せる化」
(3)社会資本整備のマネジメントサイクルの確立

4.「効果が出る」から「効果を出す」へと発想の転換を図る。
社会資本整備に携わる者は、 次の視点を一層強く意識することが必要。
(1)施設のライフサイクルの全てのフェーズにおいて、ストック効果を高める工夫に取り組む
(2)施設の利用者、住民、関係する企業、周辺の地方公共団体等、幅広い主体の参画を促す
(3)施設整備による多様な効果の発現、施設の効率的な運用についても意識し、これらを含めた幅広いストック効果の最大化に努める 。
以上の視点を踏まえ、以下に述べる「賢く投資・賢く使う」の徹底を推進していくべき。
①「賢く投資」(施設整備を行う際の投資面の工夫)?②「賢く使う」(既存施設を管理する上での施設の運用面の工夫)?③「賢く投資・賢く使う」の条件整備


5.新技術の活用
メンテナンスコスト、事業実施の制約条件、施工コスト等に関して有効な 新技術が存在する場合には、積極的にその活用を図るべきである。
例えば、新技術情報提供システム(NETIS)は、点検・診断等に係る 技術分野・要求性能を提示し、民間等の新技術を公募している。そのような 技術について、現場での活用効果調査結果を公表することにより、従来技術 以上の精度や効率性等に資する新技術を発掘し、現場実装の促進を図ってい る。
①き裂等調査
「コンクリートのひび割れを遠方より検出できる技術」
無人ヘリロボットによるコンクリート構造物のひび割れ検出技術
「上塗り塗装施工したままで可能な溶接部の亀裂、劣化調査技術」
超音波探傷違法による鋼 橋の亀裂を半自動で効率的 に検出する非破壊検査技術
②構造物調査
「表面に凹凸がある護岸背面の空洞化を調査する技術」
③コンクリートの健全度調査
「鉄筋コンクリートならびにプレストレルトコンクリートのかぶり部における 塩化物イオン含有量の非破壊、微破壊調査が可能な技術」
コンクリート構造物かぶり 部の塩化物含有量を面的 に迅速に測定する技術   以上









[19] H29施工計画予想問題

投稿者: 加藤修一 投稿日:2017年 6月17日(土)19時15分35秒 pw126212194019.17.panda-world.ne.jp  通報   返信・引用

道路構造物の老朽化に伴い様々な不具合が発生しており、今後さらに、その状況の深刻化が懸念される。これに関し、道路に係る技術者としての立場から、以下の問いに答えよ。

(1)老朽化に伴う道路構造物の機能や健全性の低下から社会に与える損失・影響について述べよ。

(2)道路構造物を適切に維持管理する上での課題及びその解決策について、複数の観点から述べよ。

(3)(2)で述べた解決策の実施に当たり、実効性を高める上での留意点を述べよ。

1.はじめに
我が国の道路構造物は、老朽化に伴って様々な不具合が発生しており、今後さらに深刻化することが懸念されている。
このような状況を踏まえ、道路構造物はの機能や健全度の低下が社会に与える影響や維持管理上の課題と解決策のについて、道路に係る技術者としての立場から以下に述べる。

2.社会に与える損失や影響
我が国の道路構造物は、経済成長等とともに着実に整備されてきたが、特に高度経済成長期に建設された橋梁は、20年後の2032年には全体の65%が建設後50年を経過することから、老朽・劣化による大きな事故や災害の発生が懸念されている。
このような事故や災害が発生すると、地域の孤立が発生し、緊急医療機関等へのアクセスを確保できない。
また、老朽・劣化により構造物の耐力が低下していることから損傷を受けやすくなっており、もし大規模地震等が発生して損傷に至れば、災害時の救命・救援物資の輸送などの応急活動や復旧・復興活動が困難となることが考えられる。

3.維持管理する上での課題
(1)維持管理手法の課題
現在の維持管理手法は、老朽・劣化が進行してから対応する事後保全型であり、対策が大掛かりで高コスト構造となっている。
また、長期的視点がなく、整備プライオリティも不明確であるため、更新期のコントロールが困難となっている状況にある。
したがって、老朽・劣化が進行する中、適切かつ継続的な維持管理手法になっていないことが課題である。

(2)行政による運用の限界
我が国は、少子高齢化による社会福祉費の増加、人口減少と労働力不足による所得税と経済不況による法人税の減少で、未曾有の財政難に陥っている。
さらに維持管理を必要とする道路構造物の量は膨大で、その整備も追いつかない状況にある。
したがって、行政のみによる財源の確保、計画策定、維持管理に限界がきていることが課題である。

4.課題に対する解決策
(1)維持管理手法の確立
適切かつ継続的な維持管理・更新を行っていくには、現在の事後保全型から、予防保全型の管理に転換する必要があると考える。
具体的には、アセットマネジメントを適用して、道路構造物の長寿命化を図り、更新期をコントロールする。また、長期的視点でライフサイクルコストを縮減するために、点検、診断、劣化予測、保全履歴等をデータベース化していくことも重要である。

(2)PFI導入、新しい契約・発注形式による整備
従来の行政のみでの財源確保、計画策定、維持管理といった一辺倒の運営を時代の変化に合わせて見直す必要があると考える。
具体的には、PFI事業化を検討し、長期保証型や性能規定型等の新しい契約・発注方式を積極的に採用して、民間の資金や技術を有効に活用する。
今後は財源の確保はもとより、長期的視点で計画・設計、施工、維持管理まで一貫した発注・契約へと転換する必要がある。

5.実効性を高める留意事項
ここでは、維持管理手法において挙げたアセットマネジメントにおける留意点を述べる。
アセットマネジメントの実効性を高めるためには、点検・診断技術の向上が必要不可欠である。
例えば、従来の技術者による近接目視や打音検査に加えて、目視困難な部位の調査に非破壊検査を用いることが有効であると考える。
従来のハツリ検査に代えて、橋梁では超音波による亀裂や赤外線による浮きの確認、トンネルではCCDカメラ画像による調査やレーザーによるひび割れの確認などを行う。
このように新しい技術を積極的に採用し、実効性と技術の向上を図りつつ、道路構造物を保全していくことも有効である。   以上



[18] H28施工計画 IIIー2

投稿者: 加藤修一 投稿日:2017年 5月17日(水)19時46分15秒 pw126212193052.17.panda-world.ne.jp  通報   返信・引用

平成27年には、免震ゴム支承の偽装、落橋防止装置の溶接不良、杭施工データの流用といった建設工事と直接関わる不正事案が連続的に発覚した。このことは、マスコミでも大きく取り上げられ、エンドユーザーである国民から建設構造物全般に対してその安全性が疑われるなど、建設部門に対する信頼が大きく揺らいだ。このため、建設技術者は基本に立ち戻って、建設構造物の安全と安心に対するユーザーの満足と信頼の獲得に努めていかなければならない。
 このような考えに立ち、以下の問いに答えよ。

(1)このような不正事案の背景にあると考えられる要因を2つ記述しなさい。

(2)ユーザーの満足と信頼を獲得するため、(1)に挙げた要因の対策として、あなたが建設工事において具体的に実施できる施策と期待される成果を、発注者、設計者、元請け、下請け等の立場を明らかにした上で記述しなさい。

(3)(2)を踏まえ、建設部門全体で取り組むべきとあなたが考える方策を記述しなさい。
(3枚以内)


1.建設工事での不正事案多発背景要因
1)従事者の意欲と倫理観の低下
建設事業投資額は、かつて抑制政策等により一時は最盛期の半分程度にまで落ち込んだ。そのため受注競争が激化し安値落札が横行し、建設事業従事者の労働条件や賃金にしわ寄せが生じる事態となり、離職や若年労働者の減少が発生した。
その後震災対策や防災工事、オリンピック関連事業など、建設投資額と事業量は増加したが、今度は従事者が不足し少人数で多くの業務をこなす必要が生じ、負担の増加と資質向上機会の減少により意欲や倫理観が低下している。

2)専門化、重層構造により責任所在が不明確
建設工事は各分野で高度に専門化・細分化が進み、かつ元請・下請構造が重層化しているため、品質に対する責任の所在が明確でない場合がある。
問いにある杭打工事や落橋防止装置ブラケットの製作においてはそれぞれ専門の技術と経験を必要とし、元請がその良否を完全に把握し判断することは困難になっている。また元請は下請や製造者に品質管理を任せきりにするだけでなく、閉ざされた業界体質や風通しの悪い請負構造の中で元請の無理がまかり通る風潮があり、偽装や手抜きが起こりやすい環境にある。

2.要因対策として取り組むべき施策、成果
上記で挙げた要因を解決するために取り組むべき施策・期待される成果について、建設事業発注者の立場で2つ述べる。

1)従事者の生産意欲と倫理観のの向上
①従事者賃金、下請価格と就労条件の確認:受注者に対して、従事者や下請労働者の賃金・処遇を確認し、意欲やモラルの低下につながるような場合は改善指導を行う。

②教育や資質向上努力への加点:受注者が実施する、従事者や労働者への各種教育や資質向上機会の確保に対して、適正な評価と加点を行う。

③目的意識の確認と情報共有の実施:発注者組織内部に対しては、業務に関する情報を共有した上で業務に携わることができるような環境を構築する。

④期待される成果:受注者側の就労条件改善と資質向上活動への評価、自己組織内部の意識向上により、業務に対する意欲と倫理観の向上が期待できる。

2)建設工事での責任所在の明確化
①施工者・製作者任せにしない管理監督の実施:発注者は使用者である国民に代わり建設工事等の管理監督を行なっていることを強く認識し、管理監督検査体制と能力を向上させる。

②管理基準・指針等の明確化:管理基準や品質管理指針が明確でない工種について、明確化する。

③エラー発生時のルール作り:製作・施工中にミスやエラーが起こった場合のルールを規定する。

④ICT技術の活用:アナログな管理手法に代わり、ICTを駆使し確実に記録可能な管理技術を開発する。

⑤発注者・設計者・施工者の情報共有:建設事業に携わる者で、有用な情報は共有可能なシステムを構築する。

⑥期待される成果:建設事業に関わる者の責任を明確化し、あいまいな基準を改め、ねつ造されにくい管理技術を用いることで、品質管理における責任が明確になり、品質確保向上が期待できる。

3.建設部門全体で取り組むべき方策について
建設工事等の安全安心に対する信頼回復のために次の方策を実施する。

1)元請・下請の責任の明確化と重層構造の改善
元請、下請間で責任を明確化し、なすりつけを防ぐと同時に、作業従事者の利益と意欲を損なうような重層下請構造を改善する。

2)技術者・技能者の処遇、意欲、資質の向上
実作業に携わる者の賃金等雇用条件や就労環境を改善し、処遇、意欲、資質を向上させ、やりがいと誇りをもてる環境整備を行う。

3)事業関係者間の役割責任の明確化と連携強化
発注者、設計者、施工者の役割と責任を明確にするとともに、それぞれが把握する情報を適宜交換し連携を行う。           以上



[17] H28施工計画 IIIー1

投稿者: 加藤修一 投稿日:2017年 5月17日(水)19時44分21秒 pw126212193052.17.panda-world.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

我が国の労働人口が総じて減少する中で、将来にわたる社会資本の品質確保を実現するために、その担い手(建設技術者、建設技能労働者)の中長期的な育成及び確保を促進するために対策を講じる必要があると考えられる。
 このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。

(1)担い手不足が生じる要因を2つ挙げ、それに伴って発生する施工分野の課題を記述しなさい。

(2)(1)で挙げた課題について、あなたが実施できると考える具体的な対応策と期待される成果を、発注者、受注者等の立場を明確にした上で記述しなさい。

(3)担い手不足に対応するために、建設部門全体で取り組むべきとあなたが考える方策を記述しなさい。
(3枚以内)

1.建設技術者や技能労働者の担い手不足の要因
1)人力の頼る作業が多いこと
建設工事においては、土工やトンネル工では機械化が著しく進み、作業効率は50年前の数倍~数十倍に上昇している。
しかしコンクリート工においては型枠支保工設置解体作業や鉄筋加工組立、コンクリート打設養生など人力作業に頼らざるを得ない。

労働集約的な作業が多いため、経験を重ねた熟練工を必要とする。
しかし我が国は少子高齢化が進むうえに、建設業は事業減少と受注競争の激化により他産業に比べ就労条件が悪く、新規就労する若年人口は年々減少している。
現役従事者の高齢化と新規就労者の減少により、品質確保に必要な担い手が不足する事態が生じている。

2)仕事量の変動が大きいこと
建設業の発注量は発注者の動向や景気の変動に左右されやすい。
発注時期も年度後半が多く平準化されていないためばらつきがあり、業務閑散期と繁忙期の差も非常に大きい。
また近年は公共投資が最盛期の半分程度に抑制されいたために、受注者の経営見通しが悪くなり、設備投資や人材採用を見合わせる時期が続いていた。
そのため次世代の担い手である若年労働者の雇用が十分にできておらず、現役従事者の高齢化と継承者の不足により技術技能の担い手が不足する状態となっている。

3)施工分野での課題
①効率化と生産性の向上:他産業に比べて効率化と生産性向上への取り組みが遅れている工種でこれらを向上させる必要がある。

②受注者の経営基盤の確保:建設事業受注者の経営見通しが立てられるとともに、従事者が安心して仕事ができる環境の構築が必要である。

2.具体的な対応策と期待される成果について
建設事業発注者の立場で、具体的な対応策と期待される成果について述べる。

1)人力作業に頼る工種の機械化・省力化
人力作業に頼る工種について、機械化・省力化を進め、現場作業工数を減らし必要な人員を少なくする。

①コンクリート部材のプレキャスト化、ユニット化
②埋設型枠、ユニット鉄筋、大組仮設工の採用
③ICT施工(UAV,MG/MC施工)の導入

成果:熟練工が必要な作業を減らし、作業のルーチン化と単純化を進め、一定の技能技術があれば対応可能な作業とすれば人工数の削減につながる。

2)見通しのきく企業経営のための下支え施策実施
地域の暮らしを守る役目もある建設事業社の経営を下支えできる施策を発注者が実行する。

①工事等発注の企業規模・事業費による住み分け実施
②工事等発注の平準化による変動の抑制
③翌債・明許繰越制度の活用(無理な工程の回避)
④地域維持型JV等を活用した大括り複数年発注
⑤地域での社会資本整備投資計画の公表

成果:受注者の経営が長期的展望を持って行えるような対策を実施することで、雇用の安定化と設備投資・人材育成への安心感が担保できる。

3.建設部門全体で取り組むべき方策について
長期的、短期的方策の2つについて述べる。
1)長期的方策
建設事業に対するネガイメージ(官製談合や政官癒着構造)を払拭し、災害復旧や生活基盤の整備維持など、市民生活の確保に欠かせない建設業・事業について正しくアピールしていく。

①イメージアップ広報の実施:積極的に建設事業の重要性と必要性を広報していく。

②土木インフラ教育の実施:地域の重要なインフラ施設やその歴史、携わった人々などについて、初等教育段階から学習機会を設け学ばせる。

③インフラ施設探検・建設事業体験の実施

2)短期的方策
魅力ある建設産業がPRできるよう、さらなる就労環境の整備を行う。

①就労環境(就労条件、福利厚生)の整備充実
②女性が今以上に輝いて働ける職場環境の構築
③不当な安値受注の排除と就労者へのしわ寄せ防止       以上



[16] H27施工計画 IIIー2

投稿者: 加藤修一 投稿日:2017年 5月15日(月)04時48分45秒 pw126212193052.17.panda-world.ne.jp  通報   返信・引用

 我が国の社会インフラは、高度経済成長期から1980年代にかけて集中的に整備され、今後、一斉に老朽化が進むことが懸念される。このため、社会インフラの長寿命化を目的とした維持管理・更新に当たっては、的確かつ効率的に取り組むことが重要である。
 このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。

(1)社会インフラの維持管理・更新工事を実施する段階において、その実施を阻害する要因を幅広い視点から2つ挙げ、その内容を記述せよ。

(2)(1)で挙げた阻害する要因を排除・低減するために、それぞれの技術的対応策の内容を記述せよ。

(3)(2)で記述した対応策の1つについて、それを実行する際、あなたのこれまでの経験やスキルを踏まえ、どのような役割を果たすことができるか具体的に記述せよ。
(3枚以内)

1.社会インフラの維持管理・更新工事を実施する段階において、その実施を阻害する要因を2つ挙げる。

(1)ストック情報の正確な把握が不十分である。
高度経済成長期以降、急速に整備されてきた社会資本ストックが一斉に老朽化する時代を迎えようとしていが、維持更新の阻害要因の1つにストック情報の正確な把握が不十分であることが挙げられる。道路橋を例えにとれば、市町村が管理する橋が全数の約70%を占めるが、次のような問題を抱えている。

①図面が存在せず、詳細な構造が不明なものが多い。

②架設年次が不明であり、適用示方書や設計諸元がわからないものがある。

③設計図書が保管されておらず、使用材料や施工プロセスが不明なものが多い。

(2)作業空間、作業ヤードに制約が多く効率が悪い。
道路橋の場合、架設場所が河川上空や渓谷などの地形条件が悪い場所が多い。また、車両の通行や隣接地の影響を受ける場合もあり、作業効率が低くなるばかりでなく、工事品質に悪影響を及ぼすこともある。

①河川上空や桁下の狭い空間での作業のため、作業スペースが確保しにくい。

②供用中の道路は車両の振動や衝撃の影響を受けることがあり、品質に悪影響を及ぼす恐れがある。

③暗く狭い空間での作業が多く、かつ人力作業に頼らざるを得ず、作業効率が悪い。

④橋梁の規模により使用材料が少量の場合があり、無駄が生じることがある。

⑤上記理由によりこうじかかくが高額となることが多く、劣化が進むストック量に比べたいおうかのうなストック量が限られている。

2.阻害要因を排除するための技術的対応策
上記2件の技術的対応策を以下に述べる。

1)ストック情報の正確な把握と管理の実施
道路橋ストック情報を管理する場合の対応策は次の通りである。

①図面情報のない橋梁は、現地実測や3Dスキャンなどにより管理用図面を作成する。

②類似橋梁の情報や目視可能な形状情報により架設年次や使用材料情報を推測する。

③非破壊検査(レーダー探査)や微破壊検査により、構造材料を確認する。

④新設構造物において初期点検を実施し、管理初期値として用いると共に、施工データの活用も行う。

⑤ICT化し、管理用データベースの構築を行う。

2)更新工事の省力化と効率化
各種制約により作業効率が劣る更新工事において次の対応策を実施する。

①部材交換が必要な更新工事でプレハブユニット化やプレキャストブロック化による省力化。

②補修設計時点で既存データの活用と、詳細調査(非破壊検査、微破壊検査)実施によるて戻り防止。

③類似工法で更新工事を行う橋梁をまとめて発注(大ロット化)による使用材料ロスの防止。

④積極的な新技術活用による省力化、効率化。

⑤更新に関わる技術者、技能者の技術技能の向上。

3.対応策実行における私の役割
橋梁スットクマネジメントを行なってきた経験を基に、更新工事の効率化と省力化を実施するにあたっての留意点について述べる。

1)現地施工条件の十分な把握
設計時に現地の作業空間や施工条件を十分に把握しておらず、ユニット化した部材が搬入困難な場合もあるので、部材や機械を大型化する場合は注意する。

2)新技術や新材料に潜むリスクの想定
施工実績が少ない新技術や新材料は、安全・品質上のリスクが潜む場合があるので、あらゆる視点からの事前検討を十分に行う。

3)工事の大ロット化による不調の発生
複数の修繕工事をまとめて発注する場合は、作業箇所が分散することによる現場管理費の増加が発生するため、不調不落を招く恐れもあり、施工条件を十分考慮し必要な経費を計上する。        以上



[15] H27施工計画 IIIー1

投稿者: 加藤修一 投稿日:2017年 5月15日(月)04時46分55秒 pw126212193052.17.panda-world.ne.jp  通報   返信・引用

 建設業は、大規模災害からの復旧や東京オリンピック・パラリンピックの開催準備等の事業を進めているところであるが、今後とも必要な社会資本を提供し、適切な維持更新の役割を担うため、なお一層国民の理解を得つつ、魅力ある産業として持続的に発展していくことが求められている。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。

(1)建設技術者として取り組むべきと考える社会資本整備の分野を2つ挙げ、その意義を記述せよ。

(2)(1)で挙げた社会資本整備の分野のうちの1つについて、取り組みを進めるに当たっての課題を2つ挙げ、それぞれの技術的対応策を記述せよ。

(3)(2)で記述した対応策の1つについて、それを実行する際、あなたのこれまでの経験やスキルを踏まえ、どのような役割を果たすことができるか具体的に記述せよ。
(3枚以内)


1.取り組むべき社会資本整備の分野
(1)防災に向けた社会資本整備
我が国において、大規模な災害発生頻度と激甚度は年々増加傾向にあり、防災・減災に向けた社会資本整備は急務となっている。

①気象現象の極端化と局地化による、巨大台風やゲリラ豪雨の頻発とそれに伴う土砂災害や洪水浸水被害の発生。

②地方部での森林耕作地の荒廃や、都市部での宅地外延化に伴う、土砂災害危険箇所の増加と災害の頻発。

③今後30~60年以内に発生が予想されている、南海トラフを震源とする大規模地震の備え。

異常気象と地震災害による被害を抑え、国民の生活基盤を守る上からも防災・減災対策は取り組むべき課題の一つである。

(2)社会資本ストックの適切な維持更新
高度成長期から1980年代に構築された、道路、橋梁、鉄道、河川構造物などの社会資本ストックにおいて、築造後50年以上を経過する社会資本ストックの割合が今後急激に増加する。膨大なストックの適切な維持更新が必要であり、怠ると次の問題が頻発する恐れがある。

①供用中ストックの破損による機能低下や機能停止は国民生活や生産活動に多大な影響を及ぼす。

②災害発生時に破損しやすくなり、避難や復旧復興に使用できない恐れがある。

③使用不能に至り新規更新を行う場合は、多大な費用を伴うとともに社会的影響も大きい。

既存ストックを長く上手に使うための工夫が、人口自然減となる社会となり、今後大規模な新規投資が困難となる我が国の技術者に課せられた使命である。

2.社会資本ストックの維持管理更新を行う上での課題
社会資本ストックの1つである道路橋を例とし、適切な維持更新を行う上での課題を2つ挙げる。

1)既存ストック情報の正確な把握
①施工図面や設計図書がなく、詳細構造や使用材料、施工プロセスが不明であるものが多い。

②完成年度や適用示方書、諸元が不明なものがある。

2)維持更新のための人材、技術力、費用の確保
①点検者の技量により劣化度判定にばらつきがある。

②評価者により、劣化要因判定や補修工法選定、優先順位付けに差が生じる。

③点検に費用がかかり、補修工事まで手が回らない。

④管理者の認識不足、技術力不足による対応の手遅れ。

3.技術的対応策
上記で挙げた課題に対して技術的対応策を述べる。
1)ストック情報の正確な把握、推測と整理
新規構築したストック情報を正しく管理するとともに、形状諸元が不明なストックにおいても可能な限り情報収集に努める。

①図面データのないストックでの3Dスキャン等による管理よう図面の作成。

②非破壊検査や微破壊検査による材料、構造の把握。

③類似構造物や目視可能な形状からの築造年の推定。

④ICTを活用した管理データベースの構築

2)管理者、受託者の技術力向上
効果ある維持更新のために、管理者、受託者とともに技術力の向上に努める。

①OJTによる点検技術のレベルの統一

②高速、高精度の点検技術の開発

③ストック点検資格制度の活用

④管理者側に人材や技術力が不足する場合は、外部技術者の積極的な活用を行う。

4.対応策実行に私が出来る役割について
橋梁スットクマネジメントを行なってきた経験を元に、次に点に留意する。

1)ICT化を行う場合の注意点
①図面データや写真画像データは、汎用的なものを使用する。

②専用ソフトを使用する場合は、データが依存形式でなく汎用形式で出力可能なことを確認する。

③データ保存の多重化を推進する。

2)新設構造物のデータ管理について
①完成時データを管理初期値として使用する場合は、事後の点検時にも対比可能なものとする。      以上



[14] H26施工計画 IIIー2

投稿者: 加藤修一 投稿日:2017年 5月15日(月)04時45分33秒 pw126212193052.17.panda-world.ne.jp  通報   返信・引用

「公共工事の品質確保の促進に関する法律」の施行に伴い、総合評価落札方式による工事契約が拡大し、極端なダンピング受注などインフラ整備の品質確保に対する懸念は改善されてきた。
 しかしながら現場の周辺環境や社会的要請が多様化・複雑化する中で、施工計画策定段階の検討が十分なされていないこと等により、成果の品質が損なわれた施工例が引き続き報告されており、円滑な工事の推進を図りつつ品質を確実に担保する適切な施工計画の策定が益々重要となっている。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。

(1)工事を施工する上で、品質確保の観点から施工計画策定時において検討すべき基本的事項を3つ挙げ、説明せよ。

(2)(1)で挙げた3つの基本的事項に対し、それぞれについて検討する上での課題と技術的解決策を論述せよ。(3枚以内)

1.施工計画策定時に検討すべき基本的事項
品質確保の観点から、施工計画策定時に検討すべき基本的事項を3つ挙げる。

(1)事前調査
事前調査は、施工計画策定の前提として、発注者との契約条件の検討、現場の自然条件や近隣施設、埋設物などの施工環境条件の検討を行うものである。施工計画の適否は事前調査での粗漏の有無に左右されるため、十分な調査が必要である。

(2)基本計画
基本計画は、主要工事数量を把握して施工方法を定め、主要工種の施工方法を、工期、概算工事費を検討しまとめる。費用、工期、品質が最もよくバランスする計画を採択する。

(3)実施計画
実施計画は、次の内容を検討し詳細に計画する。

①主要工種の施工能力、日当たりの施工量、作業可能日数の算定
②仮設備の規模、配置計画
③全体工程別詳細工程の立案
④機械、資材、労務などの調達計画

仮設備計画は、施工現場における生産の主体をなすものであり、現場条件と目的物の構造規模数量に適合した最適なものを選定する。資材の輸送運搬計画は工事の根幹をなすものであり、円滑な搬入搬出ができないと工程や品質に多大な影響を与える恐れがある。

2.基本的事項を検討する上での課題と解決策
上記3つの基本的事項に対して、検討する上での課題と技術的解決策について述べる。

1)事前調査時でのリスクの洗い出し
事前調査時に確認できないリスクが後で判明した場合は、基本計画や実施計画にも多大な影響を及ぼすため、事前にリスクを十分に洗い出す必要がある。

①契約内容の精査:契約条項、施工条件明示内容、特記事項の十分な照査確認を実施する。

②現地状況の精査:地形地質、気候気象条件、隣接地の利用状況、埋設物の有無、法規制の有無、景観状況等を十分に確認する。

③現地条件等が相違する場合の対応:現地状況が設計図書に示された内容と著しく相違する場合は、契約条件に基づき変更確認要求を行う。

2)基本計画で設定した施工速度の実行
基本計画で最適化したはずの施工速度が、諸要因により実行できず、遅延やクラッシュを招き品質低下につながる恐れがあるため、対策を事前に行う。

①クリティカルパスの明確化と適正な負荷計画作成:余裕時間のない計画とした場合は、ズレが生じていると工程に直接的な影響を及ぼす場合があり、クリティカルパスを明らかにした上でギリギリの負荷計画とならないよう、多少余裕を持たせた計画とする。

②技術改良の実施と新技術の採用:計画どおりの施工速度実現のため、従来工法でも作業手順や資機材の改良のより効率化を図る。新技術により効率化が可能な場合は、採用を検討する。

③代替え案の準備:工事実施中に基本計画の実行が困難になる恐れがある場合は、前もって技術代案を準備しておく。

3)実施計画でのキーポイント管理
実施計画のキーポイントとなる部分の計画が実行できない場合、直接な作業工程や品質に大きな影響を与えるため、リスクを予測し対策を行う。

①調達の多重化:資材、下請け、機械類が計画通り調達できないと工程に重大な影響を与え品質低下につながるため、これらの調達を多重化する。

②労務者、下請け作業者の適正な選定と能力向上:労務者や下請け作業者は、十分な能力を持つ者を選定した上で、OJTにより作業能力向上に努める。

③適切な輸送計画の立案:土木工事はモノの移動がウエイトを占めるため、資機材の搬入搬出計画は周辺環境や道路事情を十分に考慮したものとする。

④詳細な作業手順書の作成:コンクリート工事では型枠支保工の取り外し時期や打ち継ぎ目の位置、打設手順は品質に大きな影響を与えるため、具体的な数値や詳細位置を明示する。           以上



[13] H26施工計画 IIIー1

投稿者: 加藤修一 投稿日:2017年 5月15日(月)04時44分20秒 pw126212193052.17.panda-world.ne.jp  通報   返信・引用

 東日本大震災の復興事業に加え、大規模自然災害に対する防災・減災対策や社会インフラの老朽化対策、更に東京オリンピック・パラリンピック関連の工事など、今後、建設工事の増加が見込まれている。一方、建設業就業者数は近年減少しており、2012年にはピーク時の7割程度となっている。このため建設業では増大する建設需要に対応し、より一層の生産性向上が求められている。このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。

(1)建設現場において生産性を阻害する要因を3つ挙げ、説明せよ。

(2)(1)で挙げた3つの要因に対し、それぞれについて生産性向上に向けた実現可能な技術的解決策を1つ挙げ、その効果を論述せよ。(3枚以内)

 1.建設現場において生産性を阻害する要因
建設工事は、単一品目を現場で製作するため気象条件や地理的条件による制約を受けやすく、他の産業に比べて生産性は低い。建設現場において、生産性を阻害する要因を3つ挙げる。

(1)労働集約産業である
建設工事は単品現地産業であり、他産業の大量生産製品に見られるようなオートメーション化や省力化が難しく、労働集約的産業であり生産性が低くなる。

①人手に頼る作業が多い:人力で行う作業が多く、機械作業に比べて効率が悪い部分がある。機械作業の場合でも、仕上げ等人力に頼らざるを得ない部分がある。

②機械化が困難な作業がある。:土工作業はほぼ機械化がされているが、型枠工、鉄筋工、コンクリート打設作業の多くは人力に頼らざるを得ない状況であるため、生産性の向上には限界がある。

③熟練作業者と初心者の作業効率に差がある:熟練作業者と初心者の作業効率に大きな差があり、熟練作業者が減少している現状では生産性の向上は望めない。

(2)技術技能の継承が困難になりつつある
熟練作業者の退職と、新規就労者の減少により必要な技術技能が継承されにくくなり、生産性が低下している。

①就労者の早期退職:建設就労環境は他の産業に比べて劣る場合が多く、新規就労者が早期退職する傾向にあり技術の受け皿が十分に確保できない。

②新入社員の減少:建設事業の今後を見通しにくいため、事業者は新規人材採用を抑える傾向にある。

③ベテランの技術が継承されない:新規就労者が早期退職や新規採用の抑制によりベテランの技術が継承されず生産性が低下する。

3)限られた時期に業務が集中する。
建設工事は公共工事が多く、発注者の予算執行上の都合により限られた時期に工事が集中し、生産性を阻害する要因につながる。

①発注時期の偏り:特定の時期に工事が集中するため技術者や労務者が不足し、受注ができない状態になる。

②繁忙期と閑散期のギャップが大きい:繁忙期と閑散期に著しい差があり、労務者や技術者の雇用が安定化しない。離職にも繋がりやすい。

③工事集中による就労環境の悪化:特定の時期に工事が集中し、労働時間や作業環境などが悪化しやすく、生産性に影響を及ぼす。

2.生産性向上に向けた技術的解決策
建設作業での生産性向上に向けた解決策を、上記3つの要因について1つづつ述べる。

1)人力に頼る作業を減らしていく
建設作業において人力作業に頼っている部分を少なくし生産性向上につなげる。

①構造物のプレキャスト化:構造物構築においてプレキャスト製品を活用し、現場での人力作業を少なくする。

②プレキャスト部材の大部材化:プレキャスト大部材を使用し、一度の作業で構築できる数量を増やす。

③MC、MG技術活用によるICT化:施工管理にICTを活用し、省力化で生産性向上ににつなげる。

2)建設業の魅力の創出
就労環境を改善し、離職の防止と作業者モチベーション向上により、生産性向上につなげる。

①就労環境の改善:賃金、作業環境、福利厚生の改善

②社会保険加入の促進:社会保険加入を請負契約の条件とし、就労者の負担軽減に努める。

③低入札を避ける発注方式の活用:過度の価格競争により就労条件が悪化しないよう、総合評価方式などを活用した工事発注を行う。

3)偏りの少ない工事など発注の実施
工事発注の時期に偏りをなくし、事業平準化による受注意欲の向上を図り、生産性向上につなげる。

①余裕のある発注に実施:発注者は、時期に偏りがない発注計画を策定し、それを忠実に実行する。

②予算執行における各種制度の活用:繰越制度、翌債制度、複数年契約制度を活用し、年度末に工期が集中することを避け、事業の平準化による受注者のモチベーションの向上と生産性向上を図る。    以上



[12] H25施工計画 IIIー2

投稿者: 加藤修一 投稿日:2017年 5月15日(月)04時42分52秒 pw126212193052.17.panda-world.ne.jp  通報   返信・引用

 建設業における労働災害の死亡者数は、1990年代前半には1,000人前後で推移していたが、公共事業投資の大幅な抑制や現場の安全設備・安全管理の充実によって、ここ数年は300人台まで減少した。しかし、重大災害(一時に3人以上の労働者が業務上死傷又はり病した災害事故)は平成21年以降増加傾向にあり、社会的に問題となる事故も発生している。このような状況に対し、施工計画、施工設備及び積算の技術士としていかの問いに答えよ。

(1)建設産業や建設生産システムの現状を踏まえ、重大災害を誘発すると思われる要因を3つ挙げ、それぞれについて述べよ。

(2)(1)で挙げた3つの要因に対して、解決するための具体的な実施方策を論述せよ。

1.建設産業と建設生産システムの現状
(1)建設生産システムの特徴と現状
建設産業、特に建設工事には次のような特性があり、他の産業に比べ労働災害が発生しやすい環境にある。

①屋外生産のため、自然条件(天候、気象)に作用されやすい。
②建設工事の実施体制は重層構造であり、多くの事業者・作業者が関わるため目が届きにくい。
③高所作業や大規模な土工工事など危険な作業が多く、取り扱う資機材類も大型である。
④現場での個別生産のため、作業の標準化・規格化が難しい。
⑤受注産業のため、施工体制の確立は受注後となり遅れがちである。

(2)建設産業を取り巻く現状
建設産業を取り巻く現状、および労働災害との関連は次の通りである。
①バブル崩壊以降、国と地方の財政難による建設投資額の減少、近年は最盛期の50%いかにまで落ち込む。

②投資額減少に伴う受注競争の激化により、優れた技術を持つ企業が受注機会を喪失している。

③少子高齢化に伴い、建設産業従事者の高齢化が進行している。中途離職者も多く経験の乏しい新規入場作業員や高齢の作業員が災害に遭う場合が多い。

④建設工事の大型化、建設技術の高度化、複雑化により、一旦労働災害が発生すると、当事者のみならず社会的な影響も多大になる場合がある。

2.重大災害を誘発すると思われる要因
重大災害を誘発すると思われる要因を3つ挙げ、それぞれについて説明する。
1)不安全行動など安全意識の欠落
不安全行動など従事者の安全意識が欠落しており、自主的なリスク対策も十分に行われていない。

①安全意識の欠如:ベテラン作業員による慣れによる作業手順の省略を原因とする災害や、新規入場作業員の不慣れによる、入場初期の重大災害が多い。

②自主的なリスク対策の不足:安全意識が不足しているため、作業従事者による自主的リスクの洗い出しとリスク対策が不十分である。

2)安値受注による災害リスク対策の不備
労働災害を未然に防止するには、災害リスク低減が必要であるが、受注競争激化により対策が不十分になりがちである。

①低価格受注のよる過剰なコスト意識の存在により、リスク対策が二の次とされている。

②低価格受注による、労務者や下請け企業へのしわ寄せが大きくなり、リスク改善意欲が減退している。

3)施工の大型化・複雑化に伴う災害の重大化
大型化・複雑化・専門化する建設工事を安全に進めるには、施工体制を確立し施工技術を確保する必要があるが、それが困難になりつつある。

①経験豊富な技術者の退職による技術の喪失

②若年技術士の離職と、新規採用者の減少による技術の受け皿の減少。

③採算性と就労環境の悪化により、技術力に優れた下請けの廃業。

3.災害要因解決のための具体策
1)リスクマネジメントと安全教育の実施
リスクマネジメントと安全教育を徹底する。
①COHSMSによるリスクマネジメントの実施

②作業所内外での労働安全啓発活動の実施

③OJT・OFFーJTでの安全教育の実施

2)過度な受注競争の抑制
安値受注を排除し、’優れた技術を持つ者が優遇される調達システムの整備を行う。

①総合評価方式などの技術提案方式による調達の実施、専門工事評価型総合評価方式の導入。

②発注者による、下請け工事会社からの見積書と元請け会社からの支払いの確認の実施。

3)技術の継承と就労環境の改善
所定の品質の目的物を、安全に構築する技術の継承を行うとともに就労環境を改善し離職を防ぐ。

①ベテランの暗黙知の可視化による技術継承

②ベテランと新人のペアリングによるOJTの実施

③賃金就労環境を改善し、魅力ある職場づくりで新規就労者の中途離職を防ぎ、技術の受け皿を確保する。    以上


 



[11] H25施工計画 IIIー1

投稿者: 加藤修一 投稿日:2017年 5月15日(月)04時41分17秒 pw126212193052.17.panda-world.ne.jp  通報   返信・引用

高度経済成長期に構築された社会資本が耐用年数を迎えつつあるなど、社会資本の老朽化が急速に進んでいる。一方、我が国を取り巻く社会情勢も近年大きく変化しており、限られた財源の下で老朽化が進む社会資本の維持管理・更新を適切に進めることが求められている。そのような背景を踏まえ、施工計画、施工設備及び積算の技術士として以下の問いに答えよ。(3枚程度)

(1)あなたが老朽化した施設の維持管理・更新を行うという立場にある場合、取り組むべき事項を3つ挙げ、各項目について実施上の課題を述べよ。

(2)(1)で挙げた3項目の取り組みを実効性のあるものとするために、各課題に対する解決策を論述せよ。

1.わが国の社会資本の老朽化と財政の現状
わが国の社会資本のストックの多くは、昭和30年代以降の高度経済成長期に一斉に整備された。高速道路、高速鉄道、河川管理施設、下水道等の膨大な社会資本が構築されたが、その多くが、同時期に老朽化が始まろうとしている。

例えば道路橋の約40%を占める道路橋においては、現在構築後50年を超えるものは約20%に過ぎないが、20年後には50%に急増する。下水道管渠においても、現在9%しかないものが25%まで増加することが予測されていて、老朽化は防災対策上も非常に問題となっている。

一方わが国の財政状況は非常に厳しく、バブル崩壊・リーマンショック以降の景気低迷による税収の減少に加え、人口の自然減少と高齢化の進展により、社会保障費は増加し続けている。

建設投資額はピーク時の半分程度まで落ち込んでいるが、政府財務残高は1000兆円、地方借入金残高が200兆円を超える中、これ以上の社会資本投資への増額は困難な状態であり、既存の社会資本ストックの維持管理更新による有効利用が必要である。

2.施設維持管理更新において取り組むべき事項
社会資本ストックの維持管理更新において取り組むべき事項を3つ挙げる。

(1)適切な維持管理計画の立案と実行
(2)効果的な維持管理更新の実行
(3)技術力の確保と向上

3.上記取り組みを実施する上での課題
上記取り組みを実施する上での課題は次の通りである。
1)老朽化の把握が不十分であること
①老朽化の把握が不十分:適正な維持管理計画立案に必要な、施設の老朽度・健全度の正確な把握が不十分である。特に市町村管理施設で顕著である。

2)事後対応が主流であること
①事後対応では更新復旧に多大な費用が必要となる。

②社会的影響が大きい:機能障害が明らかになった後の対応では、施設供用の制限や停止などにより社会的影響が大きくなることが多い。

③第三者被害が発生する:施設の利用者や隣接者に、重大な被害を与える恐れがある。

3)技術力と人材の不足
①技術力と経験の不足:維持管理更新は、施設供用を行いながらの作業となるため、経験と技術を必要とするがこれらが不足している。

②管理者の人員不足:施設を管理する自治体では、人員削減により人員そのものが不足している。

③ベテランの退職による知識技術の喪失:施設構築に携わったベテランの退職により、管理に必要な経験と知識が継承されず失われようとしている。

4)課題の解決策
上記課題を解決するための方策を以下に述べる。
(1)施設劣化度の正確な把握
①施設劣化度の調査と把握:施設ごとに劣化度・健全度を正確に把握するための調査を実施する。

②施設台帳への反映:調査結果を管理初期値として台帳へ反映させる。補修履歴も記入する。

③高精度な診断技術の活用:非破壊検査や画像診断などの高精度な診断技術を活用する。

(2)優先順位と効果的な管理手法の選定
①アセットマネジメントの実施:施設の機能維持レベルと供用期間を定め、優先順位付けによりVFMに優れた維持管理更新を実施する。

②事後対応から予防保全への転換

③施設重要度に応じた管理手法の使い分け:施設の重要どうに応じ、予防保全、状態監視保全、時間基準保全、事後対応を使い分けた維持管理更新を行う。

(3)人材の育成と技術力の確保
①技術者の育成と確保:多様な視点を持ち内部技術者の研修育成や経験者の採用により人材の確保を行う。

②ベテランの技術の活用:ベテランの持つ知識経験の視覚化による技術の伝承、退職技術者の再雇用による技術力の喪失防止。

③外部技術の活用:維持管理更新に高度な知識や専門的な技術を要する場合は、外部団体や民間の持つ技術を活用する。      以上



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